(この記事は2017年10月現在の情報です)
神戸開港150年記念企画で始まった神戸の重要文化財シリーズ(初耳やけど 笑)、こないだの「萌黄の館」で締めたはずでしたが、見つけたからには、そして訪れてしまったからには書いておかなければという感じで始まる今回のお話です。
【目次】
旧ハンター住宅
この度、お邪魔いたしましたのは旧ハンター住宅です。
旧ハンター氏邸
この建物は、明治22年頃、神戸トーアロードの高台に建てられ、その後エドワード.ハズレット.ハンター氏が北野町3丁目130番地に移築したものを、昭和39年に、この地に復元したものであります。同建物は、明治時代のもっとも代表的な異人館として昭和41年、国の重要文化財に指定されました。
この復元は、関係者各位のご協力と古き神戸をおもう県民のねがいによるものであります。
ここに深く謝意を表するとともに、この指定を記念し、ながく保存してまいりたいと思います。
昭和41年6月 兵庫県教育委員会
旧ハンター邸って、聞いたことあるなと思ったら、こないだ異人館周辺散策してた時にありましたよ、「坂の上の異人館」から「風見鶏の館」「萌黄の館」へ行く道なりに。
元々はあちらが本来この建物が建っていた所で、今はあちらは結婚式場になっていて、一般公開はされていません。
旧ハンター住宅
(国指定重要文化財)昭和41年6月11日指定
現在の中央区北野町4丁目にある神戸外国倶楽部(トーアホテル跡)の敷地付近に、明治22年(1889)頃ドイツ人のA.グレッピーが英国人技師に依頼して建設した建物がありました。この建物を明治40年(1907)頃にイギリス人E.H.ハンターが買い取り、北野町3丁目の広大な高台に自宅として改築したのが現在の姿とされています。市内に現存する異人館の中では、最大級の規模を誇ります。
建物の構造は、木骨煉瓦造(もっこつれんがぞう)2階建で、西端には塔屋が付きます。屋根は寄棟式の石綿スレート葺(ぶき)で、南側に2つのペディメント(切妻破風)が設けられています。基礎は石造り、外壁はモルタル櫛目引きで、南面と東面には重層のコロネード(列柱)式ベランダが巡ります。ベランダは当初解放されていましたが、日本の風土に適さないため、菱格子のデザインが印象的な窓がはめ込まれています。
内部は、1階に玄関ホール・書斎・応接間・食堂を配し、各部屋には大理石のマントルピース(洋室の居間やホールの壁に作り付けられた装飾的な暖炉のこと)があり、各出入口の上部には、ブロークン・ペディメント(額縁)が取り付けられ、豪華な面影を残しています。
2階には、寝室3室と居間を配しています。階段の踊場の窓には、イギリスから取り寄せた色模様のステンドグラスが使われています。
ハンターが大正6年(1917)に亡くなった後、所有者は転々とし、昭和35年(1960)には料理旅館藤月荘として取り壊しの危機が訪れました。しかし、兵庫県が寄贈を受けて保存を図ることとなり、昭和38年(1963)に、ここ神戸市立王子動物園内に移築され、以後大切に保存されています。
平成28年3月 神戸市教育委員会
神戸市立王子動物園
▲こんな感じで見えてきます
▲特別公開期間でしたので来ました!
4月・5月・10月のみ公開です
開館時間 9:30〜16:30 水曜定休日
玄関
▲土足厳禁です。
入口でビニール袋を受け取り、靴を脱いで入れ、持ち歩きます。
備え付けのスリッパをお借りして上がります。
傘や日傘などは入口に預けて入ります。
禁煙🚭飲食不可、建物が古いため入館制限をすることがあります。
▲2階への階段。
踊場のステンドグラスがわかりにくくて残念な撮り方をしました。
ハンター住宅の平面図
▲玄関室の2階と3階は塔屋になっていますが、扉が閉まっており、立入禁止(非公開ゾーン)になっていたと思います。
2階のトイレや浴室へ行く廊下も非公開でした。
応接間
食堂
ベランダ
菱形の格子の窓が素敵です
2階 寝室や居間
▲▼2階のマントルピースの飾りタイルが綺麗でした
説明文の中にもありましたが、この旧ハンター住宅は、神戸市立王子動物園の中にあります。
神戸市立王子動物園
パンダもいるよ🐼
阪急電車「王子公園駅」なら徒歩3分です
開園時間:3月〜10月は9:00〜17:00
11月〜2月は9:00〜16:30
(但し最終入園時間は、閉園30分前まで)
休園日:毎週水曜日(祝日の場合は開園)
12/29・30・31・1/1
(尚、春休み・夏休み期間中は臨時開園する場合があります)
入園料:大人@600円
(コープ神戸の組合員証提示で1割引の540円)
中学生以下・兵庫県内在住65歳以上・障害者
の方は無料
*入園後、ハンター住宅入館料は無料です。
エドワード.ハズレット.ハンター
明治時代に神戸を中心に活躍したイギリス人貿易商。
最も有名な事業は造船業で、大阪の安治川河口(現在のUSJの近く)に「大阪鐵工所」を作り、それが現在の「日立造船」の前身となりました。
27歳の時に大阪の薬種問屋の娘・平野愛子さんと結婚していますが、日本における国際結婚の第一号と言われています。
現在ハンター氏は再度山(ふたたびさん)の神戸外国人墓地に眠っています。
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ベランダや廊下、どのお部屋を歩いても板が軋む音が印象的な異人館でした。
調べていると神戸には他にも、春秋のみの公開、或いは秋のみ期間限定の公開という文化財も多く、地元を知る良い機会ですのでまた訪れてみたいと思います。
とりあえず次回は王子動物園のパンダをお届けします🐼
こちら▼