月餅teatimeのblog

中国留学時代の話を書きたくてブログを始めました。神戸を中心に関西のハイキングや街ぶら、史跡巡りを多く書いています。たまにハンドメイド・随筆。

【神戸】相楽園に3つも重要文化財。期間限定の公開中!「菊花展」も開催中です

 

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 (この記事は2017年10月現在の情報です)

 

神戸開港150年記念シリーズ、ただいま特別公開期間中の、

神戸の国重要文化財をご紹介します。

 

今回は、神戸市立相楽園(そうらくえん)。

 

今年の初夏にも初来訪していましたが、この度はいろいろと「今の時期だけ」の催しがあるとのことで行ってきました。

 

【目次】

 

相楽園

 

相楽園は、元神戸市長 小寺謙吉氏の先代小寺泰次郎氏の本邸に営まれた庭園で、明治18年頃から建築に着手され、明治末期に完成したものです。

昭和16年以降神戸市の所有となり、中国の古書「易経」の一部にある「和悦相楽(わしてよろこびあいたのしむ)」からとって「相楽園」と名付けられ、一般に公開されるようになりました。

19,566㎡の敷地の中にある庭園は、池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)日本庭園で、飛石や石橋を渡り、流れや滝など深山幽谷(しんざんゆうこく)の景を見ることができます。

蘇鉄園(そてつえん)わ樹齢500年と伝えられる大クスノキ、春に咲くツツジの花やモミジの紅葉も見事です。

また、重厚な正門と欧風建築の旧小寺家厩舎(きゅうしゃ)、保存のために移築された船屋形、旧ハッサム住宅のほか、茶室浣心亭(かんしんてい)が庭園の景観に調和しています。

 

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▲正門

明治時代の神戸市長さんの邸宅として誕生したんですね

 

旧ハッサム住宅:国重要文化財

 昭和36年6月7日指定

 

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こちらは今年の初夏に来た時に撮った写真です

 

公開期間ではなかったので、門は閉ざされていました

 

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▼6月、紫陽花が綺麗な時期でした

(相楽園内の植込み)

 

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この度の旧ハッサム住宅の公開期間は、

10/21(土)〜11/23(木・祝)、9時〜16時30分

 

ツツジの時期(4月下旬)と、菊花展の期間と、年2回の公開があるようです。

 

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門を入ると前庭に、落下した煙突が展示されています

 

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平成7年1月17日 午前5時46分、阪神・淡路地域を襲ったマグニチュード7.2の大地震により、「旧ハッサム住宅」も大きな被害を受けました。

この煙突は屋根、2階の床を突き抜け、1階まで落下し、北西の部屋を大破しました。

建物の修理の際に部屋の中から取り出しましたが、地震の激しさを後世に伝えるためにこの場所に保存しています。

平成8年10月       神戸市教育委員会

 

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中に入ってみます

 

1階の解放ベランダの玄関で靴を脱ぎ、そのまま置いて、備え付けのスリッパをお借りして上がります

(旧ハッサム住宅の入場料は必要ありません)

 

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▼1階 平面図

 

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▼2階平面図

 

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一階はお客様をもてなしたり団欒のスペース

二階は寝室などプライベートなスペースになっています

 

▼応接室(1階)

 

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ロープから先は入れません

 

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どの部屋にも必ず暖炉がありますが、そのマントルピースのタイルや装飾はお部屋によって様々

 

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▼食堂(1階)

 

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▼2階寝室(南東部屋)

 

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▼2階子供部屋

 

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 ▲▼壁の装飾の作り方や

 

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▲▼建築材料・作業工程などの展示もありました

 

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▼別棟(厨房・使用人室)

 

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立入禁止になっています。2階の窓辺にはミシンが置いてあるのが主屋の2階から見えました

 

▼窓から見えた範囲(1階の厨房)

 

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▼上がれません。1日に大勢の人がおしかけるとすぐに傷んでしまいそうですもんね

 

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▼旧ハッサム住宅の東門と旧小寺家厩舎の一部

 

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この建物は、インド系イギリス人貿易商J.K.ハッサム氏が、明治35年に自邸として建てたもので木造2階建て.寄棟造棧瓦葺の和洋折衷建築物です。かつては中央区北野町(異人館街)にありましたが、昭和36年に神戸市が寄贈を受け、昭和38年にこの地に移築されました。

中央廊下をはさんで両側に居室を配して前面にベランダをとり、さらに渡廊下で後ろの付属室と結ばれています。この形式はコロニアルスタイル(植民地形式)と呼ばれ、明治時代神戸で活躍した外国人たちの住宅(「異人館」)の特徴をよく伝えています。

北野町時代は一階・二階ともベランダ部分には全部ガラス窓が嵌め込まれていましたが、移築にあたってすべて解放して建築当初の形に復原しました。

なお、旧ハッサム住宅は、主屋の他、付属屋倉庫東門が重視文化財に指定されています。

 

▼重要文化財指定書

公開されているのは指定を受けた上記のうち、主屋と東門だけでした

 

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旧小寺家厩舎:国重要文化財

昭和45年6月17日指定

 

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この建物は、相楽園の所有者であった元神戸市長 小寺(こでら)謙吉氏が明治43年頃に厩舎としてこの地に建てたもので、園内に残る創建当初の数少ない遺構の一つです。

構造は、煉瓦造りの一階に木造の小屋組をのせたドイツ風の重厚な造りで、正面一階は馬車庫、二階は厩務員の宿舎、東側は吹抜けの高い天井を持つ馬房になっています。

これだけの規模と構造をもつ厩舎は全国でも例がなく、設計者 河合浩蔵(かわいこうぞう:明治・大正期官庁建築を中心に関西で活躍した建築家。神戸地方裁判所も彼の作品)の代表作の一つに数えられるものです。

昭和55年には建物の詳しい設計図が約60枚も見つかり、貴重な資料として建物とともに重要文化財に指定された。

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▼南向きに立っていますので、向かって右側が東の馬房です

 

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普段は閉ざされていますが、厩舎の内部も特別公開中です

 

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期間中は、ライブやコンサートの日程が組まれ、私が行った日はたまたま「写真コンテスト展示」でした

 

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厩舎らしい大きく重そうな扉

 

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▼入って左手奥は倉庫のようになっており一台の馬車が展示されています。

 

(倉庫に入る手前でロープが張られており近づけません)

 

この馬車は元神戸市長 小寺謙吉氏が愛用されたものです。手を触れないでください

 

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▼馬車展示の奥は物置きかな?

 

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▼馬房にあたるところ

 

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日本庭園

 

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▲入口(6月) 

 

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▲6月撮影

 

▼10月下旬撮影

 

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▲伊予青石、丹波石、御影石、鞍馬石などを贅沢に使用した大きな自然石の石橋や飛石などが並べられ、石組の洞窟もあります

 

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浣心亭(茶室)

 

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▲戦災で焼失したのを戦後新築した茶室浣心亭

「浣心亭茶席」●一席400円

10月29日(日)11〜13時  先着100名限定

11月18日(土)11〜13時  先着100名限定

 

 

船屋形:国重要文化財

指定年月日 昭和28年8月29日

建造年代  江戸時代前期

 

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この建物は、江戸時代に姫路藩主が河川での遊覧用に使っていた川御座船(かわござぶね)の屋形部分です。江戸時代の末まで水上に浮かんでいましたが、明治初年に飾磨港付近から高砂に移され、この時に屋形だけが陸上げされ、茶室として利用するために船框(ふながまち)から下を継ぎ足したものと思われます。その後、昭和16年に前所有者である牛屋吉朗邸(神戸市垂水区舞子)へ移築され、昭和53年に同氏より寄贈を受け、この場所に移築したものです。木造2階建、切妻造桧皮葺(きりづまづくりひわだぶき)で内部は1階2階とも3室に分かれていて、前方より「床肌の間」「上段の間」「次の間」となっています。

木部は内外共すべて漆塗で、木肌の見える春慶塗と重厚な黒漆塗とに塗りわけ、長押(なげし)や垂木(たるき)の先端などに金箔を施した飾り金具を打ち、また建具の桟を黒塗、その間を金箔押しとするなど非常に華麗に、しかも繊細な造りとなっています。

建造年代は、飾り金具の家紋の痕跡から、本多候が入封(にゅうほう)した天和(てんな)2年(1682)から宝永元年(1704)の間と推定されます。

江戸時代、西諸国大名は参勤交代のために競って御座船を造りましたが、現存するものは数少なく、なかでも川御座船としてはこれが唯一のものです。

平成11年12月      神戸市教育委員会

 

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船屋形の内部公開11/23(木㊗️)

往復ハガキにて事前予約が必要(60名)

往復ハガキの応募って結構「壁」な感じです

 

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紅葉にはまだ少し早かったようです🍁

 

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▼紅葉🍁に船屋形も綺麗でしょうねぇ

 

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門扉も素敵です

 

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せっかくですから菊花展も見ていきます

 

神戸菊花展

 

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 ただいま「神戸菊花展」開催中です

 

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▲個人出展もたくさん並んでいます

 

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菊花には様々な種類や育て方があるようです

 

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菊って普段、仏花としてお店で見かける以外にはあんまり馴染みがないかな〜なんて思ってますけど

 

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そういえば、お刺身買った時に付いてるな〜🌼

 

子供の頃、親に「毒消しや」と教わりました

 

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でも実は、菊の花って50円硬貨や日本のパスポートやあらゆる勲章などにもあしらわれていますし、皇室の象徴(しばしば日本そのものの象徴)だったりしますし、多く都道府県・市区町村の花にも指定されているんですね。

 

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 そういえば、中国では「菊花茶」はよく飲まれますが、2000年以上前から既に薬用として栽培されていた記録が残っているそうです。

 

解毒・消炎・鎮静作用があり、めまい・眼の疲れ・高血圧などに良いといわれています。眼の疲れに良いといわれるクコの実(枸杞子)も一緒に透明のグラスに淹れて飲むと色合いも綺麗で良いですね。

 

菊の花もそうですが、苦味の食物には「清熱(熱を取る)」の働きがあります。

 

私も厦門(福建省)にいる時はたまに飲みました。

 

当時は台湾も含めあちらの、パックやペットボトルのお茶って大概、砂糖が入っていましたが、今はコンビニも多いですし日本のペットボトルのお茶もたくさん並んでいます。

 

蘇鉄園

 

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▲受付横に植わるソテツ。

鹿児島から取り寄せた樹齢300年のもの

 

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▲群植されたソテツ。

当時小寺邸が「蘇鉄園(そてつえん)」と呼ばれた由縁。

 

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▲元禄10年(1567)、荒木村重が花隈城の鬼門除けとして植えたと伝えられる大クスノキ。

樹齢の長い木の代表格。

樟脳の成分(防虫効果)があります

 

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▲笠の広さ10㎡(6畳強)ある庵治石(香川県産)で作られた大燈籠(雪見燈籠)

 

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▲6月に訪れた時の紫陽花

 

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▲秋の季節も素敵です、紅葉🍁に菊花展

 

期間限定の文化財公開やほかイベントもあります

 

尚、紅葉の見頃は🍁例年、11月下旬〜12月上旬です

 

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▲「コープこうべ 」組合員証の提示で入園料が1割引き

入園料:15歳未満は150円

               15歳以上は300円

団体割引あり・神戸在住65歳以上の公共の証明物提示で無料

 

 

相楽園の秋のイベント

 

神戸菊花展
10月20日(金)〜11月23日(木㊗️)

相楽園はこの期間中無休9〜17時開園

(入園は16:30まで *ライトアップの日は除く)
菊のライトアップ
11月2日(木)〜5日(日) 日没後〜19時(最終入園18:30)

 

旧ハッサム住宅(重要文化財)公開

10月21日(土)〜11月23日(木㊗️) 9〜16:30

 

船屋形(重要文化財)内部公開

11月23日(木㊗️)20名×3回 往復ハガキにて事前予約が必要

 

旧小寺家厩舎(重要文化財)内部公開

および各種ライブコンサートなどイベント開催

菊花展開催期間中(詳細はサイトを確認してください)

 

浣心亭茶席 ●一席400円

10月29日(日) 11〜13時 先着100名

11月18日(土) 11〜13時 先着100名


第66回 神戸菊花展イベント
この期間中は庭園内で、ほか様々なイベントがあります

 

詳細・アクセス等はこちらをご覧ください▼

 相楽園(そうらくえん)- 神戸市中央区 都市公園・日本庭園

 

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これだけの規模と構造をもつ厩舎は全国でも例がないという相楽園内の「旧小寺家厩舎

 

設計図(重要文化財指定)も見てみたかったですが展示はありませんでした

 

国宝や国指定重要文化財になっているものは、可能な限りどんどん見ていきたいと思います。

 

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