「元日のお天気が晴れ」
と予報が出ている時は、何処かへ上って
初日の出を見に行くようになりました。
今年2019年元日は、神戸の摩耶山上へ。
▼こちらは2018年の妙見山からの初日の出の記事。
良かったらあわせてご覧ください(^^)
さて。
摩耶ケーブルとロープウェーで山上へ行きますが、
摩耶山には山城跡や、古く伝統あるお寺など、
遺跡・遺構が多く残っています。
ワタシが散策したルートに沿ってご案内いたします。
【目次】
アクセス
大晦日から元日は夜通し電車は運行しています。
ワタシは阪急電車・王子公園駅に
早朝5時過ぎくらいに到着し、
「徒歩22分」(Google情報)を摩耶ケーブル駅まで
歩きました。余裕だろうと思って。
*ご注意:結構な上り坂です!
摩耶ケーブルの6:00の始発に間に合うバスが
神戸三宮駅前からも出ています。
時刻表やバス停など詳細が発表されましたら
また追記したいと思います。
摩耶ビューラインで山上へ
▲摩耶ビューラインとは摩耶ケーブルと
ロープウェーの総称で、山頂まではケーブルカーと
ロープウェーを乗り継いで上がります。
元日の摩耶ケーブル駅始発は6:00。
確か15分くらい前には駅に着きましたが
既に長蛇の列ができていました。
〈ご注意〉
分かりにくくて私達も迷いましたが、先にチケット
を購入してから列に並ばないといけません。
とりあえず、大人往復券@1,540円を購入しました。
時間に余裕があれば片道切符を購入して歩いて
下ってきても良かったと思います。
ロープウェーの方が乗客キャパが少ないので、
ケーブルから乗り継ぐ時、走る人が多かったです。
押し合わないようにくれぐれも気をつけましょう。
▲山上に着きました。
地平線の向こうが明るくなってます。
▲ロープウェー上がってきた「星の駅」を出ると
摩耶山「掬星台(きくせいだい)」という広場があって、
皆んなそこから初日の出を待っていました。
ワタシは6:00のケーブルカー始発を待って
上ってきましたが、一眼レフなどで本格的に撮影
しようとする人達は、もっと早くから徒歩や車で
上ってきていて、既にカメラスタンバイしており、
最前列に入るのはギリギリな感じでした。
摩耶山上から見る、初日の出
▲刻一刻とグラデーションが変わっていきます。
▲まだ月も見えています。
▲闇より出づる神々しい物体、そんな感じです。
▲闇が消えて。
▲太陽があるからワタシ達・生命が存在するんだな
なんて想いが自然と湧いてきます。
▲摩耶山 掬星台(きくせいだい)。
700mほど歩いた所に「摩耶山天上寺」が
あるようなので、行ってみることにしました。
摩耶山天上寺
▲もともとはここから900mほど離れた所にあった
天上寺。昭和51(1976)年1月30日に全焼し、
この場所に建て替えられたようです。
▲あめ湯を用意してくださってました。
▲元日の朝、殊に清々しい空気です。
▲水は凍ってました。一旦掬星台へ戻り、
ロープウェーで下りました。
結果、下りない方が良かったんですけど、
また後ほどご紹介しますね。
摩耶山城跡へ(摩耶遺跡)
▲もうすっかり青空になりました。
お天気に恵まれて良かったです。
▲ロープウェー「星の駅」から「虹の駅」
へ下ります。
▲摩耶ケーブルとロープウェーの縦断面図。
ケーブルは大正14(1925)年1月に開通しました。
▲虹の駅まで下りてきた時に、
この辺りの史跡に関する説明パネルがありました。
…なになに、山城跡…。
摩耶山城跡の説明:
摩耶山城は、南北朝時代に(現在の)虹の駅付近〜旧天上寺に築かれたといわれている。自然の地形を生かした山城で、東西の曲輪(人工的に平らにした区画)、竪堀(山腹に縦方向に掘った堀)、堀切(尾根に設けられた堀)などの痕跡が見られる。
▲ここまで来たからには行っとかないと。
…と急遽、摩耶山城跡を目指します。
説明パネルを頼りに、
虹の駅から旧天上寺への道を探索開始。
虹の駅から程なく、石垣を発見。
新しいものではなさげ…
とりあえず上っていきま〜す。
▲およよ、曲輪のような所に小屋が。
この小屋は廃墟っぽいですが、そう古くはなさげ。
「摩耶花壇」の看板がかかってますね。
あちら側は崖のようです。
▲こんな山道を行くと、ハイキングマップが。
どうやら、上野道というハイキング道のようです。
▲また現れた、曲輪に机と椅子。
あちらに神戸の海が見えます。
「峠茶屋跡」だそうです。
上野道と虹の駅からの道が出会う峠にあった峠茶屋は「下のアメヤ」と呼ばれ、おはぎ・ぜんざい・きな粉餅・焼きとうきび・昆布菓子などの他に「ネコのフン」と呼ばれる菓子が売られていた。近くには阿福(お福)茶屋という茶店もあった。
かつては、天上寺の参拝者が多く行き交った道
なのでしょう。
今この辺りは「摩耶山国有林」になっています。
▲道なりに上っていきます。
「宝筐印塔」が残っています。
▲「宝筐印塔」の説明。
▲どんどん上ります。
石垣もありますね。
趣のある石階段が続きます。
▲天上寺までの距離を示した町石(真ん中写真)。
緑と同化した石垣(右写真)。
▲上に看板が見えてきました(左)。
石垣の手前にコンクリ製の「ヤメア」の文字。
右から読むと「アメヤ」(真ん中)。
アメヤ跡の説明:
仁王門の下にあった茶店は「上のアメヤ」と呼ばれ、参詣客に親しまれたが、昭和30年代に廃業、現在は基礎だけが残る。「アメヤ」と文字が彫られたコンクリート製の遺構は、ラムネやスイカなどを冷やすために湧き水をためる水槽の跡。
山城跡の石垣も多く残っています(右)。
▲もうひと上りで何かあります。
▲現在地と照らし合わせると、上にあるのは
旧天上寺跡の旧山門ですね。
摩耶山(702m)は、古来山岳信仰の場であり、大化2年(西暦646年)、孝徳天皇の勅願を受け、インドの高僧法道仙人により仏教寺院が開創されました。その後大同年間、弘法太師空海によって摩耶夫人像が奉安され伽藍が造営されました。これが摩耶山忉利天上寺です。(以下略)
旧天上寺
▲旧天上寺の旧山門「仁王門」です。
昭和51年の焼失を免れ、唯一往時を偲ばせる建築物。仁王像(二体)は新天上寺に移された。
▲まだまだ上って行きます。
▲これだけの木が石垣に根を張ってます。
こういう感じのを見るとすぐ「ラピュタ」?
とか思ってしまう(笑)(左)。
石に「兵庫県立神戸高等学校 静哩園」の文字が
彫られています(真ん中)。
かつて保養施設みたいなのがあったのでしょうか。
まだ上がります(右)。
▲崖と一体化してしまっている石垣。
ある意味、この日最もゾワッとした光景。
▲「←旧摩耶の大杉 50m (通称・摩耶の大杉さん)
幹周り約8m」の道標があります(左)。
ので、見に行きます(真ん中)。
ここの石垣も良いなあ(右)。
▲旧摩耶の大杉の説明。
昭和51年の旧摩耶天上寺の大火災で火を被ったこと
が原因で徐々に枯死してしまったそうです。
残念。
▲しかしながら、この大きさ!
▲葉っぱは周囲の樹からのものでした。
この樹自体から葉っぱは生えていないようです。
▲もう少し上ると、旧天上寺の境内に到着です。
鐘楼跡(右)。
▲現在は、神戸市が旧境内地を歴史伝説を有する
史跡公園として整備している、とのことです。
上の看板には、焼失前の天上寺の写真が。
▲嗽水舎跡:龍の口から流水する手水鉢(左)
阿弥陀堂跡:阿弥陀仏の像を本尊として祀るお堂(右)
▲海を背にざっとこんな感じです(左)
嗽水舎跡の中にあった氷(右)
▲摩耶夫人堂跡(左)と護摩堂跡(右)。
▲本堂跡:
約13m四方の荘厳なお堂。
本尊である十一面観音像が安置されていた。
▲2018年9月の台風21号の被害で倒れてしまった
親子杉。
旧天上寺の親子杉の説明:
この倒木は、旧天上寺周辺の樹齢100年以上のマザーツリーと呼ばれる巨木の一つ。幹周り445cm、高さ25mのスギで、3本に別れた幹が親子のように見えるため親子杉と呼ばれていた。平成30年9月の台風21号の強風で倒れた。
*これ以上倒れることはありません。
*頭上に注意して通ってください。
*木の上には登らないでください。
摩耶遺跡 神戸市森林整備事務所・摩耶山再生の会
倒木のあちら側には「尾桐明神社跡」の案内看板が
見えています。
気になりますが、この日はタイムリミットです。
▲旧天上寺の建造物群の看板。
▲倒木の手前でUターンし、そろそろ戻るとします。
この日はお昼から新年会ですし。
下山
▲素晴らしいお天気でした。
あちらに微かに見えるのはポートアイランドと
神戸空港です。
神戸空港…もっとたくさんいろんなとこ
飛んでったら良いのにな〜なんて思いながら。
▲そして来た道をひたすらとっとこ下りる〜。
海が輝いてて、綺麗だな〜。
▲下りるのは一瞬。
あとで地図を見て思いましたが、上(星の駅)から
下りながら散策した方がかなり楽で早かった!
ぎゃふん💧
▼下り途中にあった遺構説明を幾つかご紹介します。
天上寺塔頭(たっちゅう)群跡:
摩耶ケーブル山上駅から旧天上寺までの参道には塔頭(天上寺敷地内の小さな院)があった。長い石段の左右にあった蓮華院・王蔵院・大乗院は斜面に張り出す懸け造りで、今でも城のような迫力ある基壇が残り、険しい山岳寺院の面影が残る。
(▲左写真の辺り)
山上茶店跡:
旧天上寺の門前駅だった摩耶駅(現虹の駅)周辺にはうどん・焼き芋・回転焼きなどを売る茶店や射的場などが数件あった。1955年(昭和30)に摩耶ロープウェーが開業し賑わったが、1976年(昭和51)の天上寺の大火の後は次第に寂れていった。
千万弗展望台跡:
1925年(大正14)に開設された摩耶山遊園地の跡地に、1958年(昭和33)木造の「千万弗展望台」が完成。1970年(昭和45)にコンクリート造の2代目に建て替えられた。建物はなくなったが市街地に近く、迫力ある眺望が楽しめる展望スポット。
(▲真ん中の写真)
▲またケーブルに乗って、下りまーす。
ロープウェーは1955年(昭和30)で、
このケーブルは1925年(大正14)の開通です。
因みにですが、廃墟ブームで一躍有名になった
「摩耶観光ホテル」は摩耶ロープウェーから遠目に
望むことができるようです。
▲「海キリン」と呼ばれる神戸の港のクレーン 。
確かに…。
遠くからだと、キリンのようにも見えますね。
おわりに
ワタシは「虹の駅」(ロープウェー🚡下の駅)から
ゆっくり上りながら散策しましたが、
結局、「星の駅」(ロープウェー🚡上の駅)の方まで
上るカタチになりますので、
上から散策して行った方が楽で早いです。
が、下から見るから気付けるモノもあると思うので、
コレはコレで佳しとしてます(*´˘`*)
この次訪れた時には、星の駅から、まだ見ていない
部分(親子杉から上)の遺構散策をしたいです。
旧天上寺の佇まいは、なかなか良かったです。
大火で焼失していなければ…と、残念でなりません。
▲2019年元日8:27。
▼2018年は妙見山の初日の出。