(この記事は2017年8月現在の情報です)
【目次】
はじめに
陳舜臣さんの作品との出会いは、もう20年以上前、
中国留学直前の、まだ会社員をしていた時だった。
私は当時、洋菓子製造工場内の総務の仕事をしており、アットホームな感じで育ててくれた職場と中国留学資金を親に頼らずに貯めれたことに感謝している。
工場によく営業部の方が出入りしていたがそのうちのお一人の方が「月餅ちゃ〜ん、これ読んでみぃ〜。神戸に住んではる人でなー、陳舜臣さんて中国の人やねんけど、神戸を舞台に…〜云々〜」
と言って私にくれた本がロマンティック・ミステリー短編9篇が集まった『異人館周辺』という文庫本であった。
陳舜臣さんは歴史小説家であり推理小説家なのだ。
私は結局いただいたこの本の表紙をめくることもなく中国へ行ってしまった。
▼営業部の先輩から実際にいただいた本
『三国志』というジャンルは私のなかで「読んでおかなくてはならないもの」であったため、数多くの作家によって書かれた『三国志』を買い集めてあるが、その半分以上はまだ「積ん読」状態である。
(読みかけを幾つか放置している)
『三国志』を読み始めたのは蜀の劉備玄徳や諸葛孔明を中心に描いた吉川英治さんの作品が初めてであったが、この吉川三国志の中で、私は曹操贔屓になり、関羽ファンになった。
曹操中心に描いた陳舜臣三国志は、作品にすんなり入ることが出来て初めて読了した『三国志』になった。
(因みにコミック『蒼天航路』は読了済)
▲『秘本三国志』全6巻
アクセス
▲JR元町駅(東出口)から、大丸神戸店を左に見つつメリケンロードを真っ直ぐ下り、阪神高速が見えたらそのすぐ手前、メリケン波止場の
旧神戸税関メリケン波止場庁舎3Fになります。
(神戸は北が山、南が海で大概坂になってるので
北進するのを上る、南進するのを下ると表現することが多いです)
しかし私はこの日、適当にJR元町駅西出口から出てパークロードを真っ直ぐ下り、ご丁寧にタワーロードへ入り、目的地とは逆方向からメリケンパークへ入ってしまった為、メリケンパークをぐるりんと一周してしまいました。
『陳舜臣アジア文藝館』のホームページに地図が無く、
「メリケンパークやろ?テキトーに行きゃ直ぐ着くわ」
とタカを括ってたら「ブ・ブーー!」大ハズレでした。
メリケンパーク
因みにメリケンパークには
- 神戸ポートタワー
- ホテルオークラ神戸
- オリエンタルホテル
- カワサキワールド(川崎重工の企業ミュージアム)
- 神戸海洋博物館(カワサキワールドと併設)
- スターバックス神戸メリケンパーク店(今年2017年4月にopen)
などがあります。港ですので
- 船の発着も見れますよ。
関連記事はこちらへどうぞ☕︎▼
▲自律型無人潜水艦「マリンバード」
(by川崎重工業株式会社開発)
▲▼パークには野ざらしでこんなのがゴロゴロ置かれています
▲これ何だろ。
説明書きをすっ飛ばして先を急ぎましたので…
▲有銲錨(ゆうかんびょう:ストックアンカー)
4tもあるらしいです
(by三菱重工業株式会社神戸造船所寄贈)
『陳舜臣アジア文藝館』ご紹介
▲この赤いドアが目印です。ここから3階へ
メリケン波止場の旧神戸税関メリケン波止場庁舎3F
▲陳舜臣さん(1924-2015)です
▲▼実際に使われていた机・椅子・文具・身の回り品が展示されています
▲デスクの上には曹丕の『典論論文』の竹簡
が置かれていました。
何らかの思い入れがあって常にデスクの上に
置かれていたものだったのでしょうか…
▲▼毛筆の書をよく書かれたそうです
▲▼陳舜臣さんの出版されたすべての書籍と
資料に使われた書籍の一部が展示されていました
▲資料の一部です
▲『曹操 魏の曹一族』
いつか読んでみたいと思っています
▲『曹操 魏の曹一族』上のおもて表紙をめくると
直筆サインと押印がありました
▲1998年受賞の「勲三等瑞宝章勲章」
▲台湾の「海華栄誉章」
▲ご愛用のparkerやmontblanc万年筆・眼鏡
▲大阪外国語学校のボタン
制服があったんでしょうね
現在の大阪大学外国語学部、印度語学科で
印度語(ヒンディー語)とペルシャ語を専攻
一学年下に司馬遼太郎(蒙古語科)がいる
▲著書『シルクロードの旅』の原稿
▲これは何の原稿だったでしょうか
▲『ワンダフル神戸』の原稿
▲押印に使用されていたであろう印鑑
▲昭和30年代に使用していたカメラ
マミヤ6とMINOLTA
▲ローライレックス社製
Rollei 35
1965年に香港で購入以来ずっと愛用された
▲最後に書かれていた原稿のコピー
(展示デスクの上に置かれています)
きっちりと読みやすい字で書かれているのが
印象的でした
おわりに
陳舜臣さん曰く:
近代の中国の歴史は、失敗に次ぐ失敗の連続
歴史の教訓を学んでいない
民族国家が紛争を起こすのだ
「民族を超えて共存していける」
陳舜臣さんの作品にはいつもそのテーマが
底を流れ、優しくも、怒りのペンを走らせた
のではないかと、そんな感想を持った
今回の訪問であった
▼陳舜臣さん
「陳舜臣アジア文藝館」
神戸市中央区波止場町3-2
(旧神戸税関メリケン波止場庁舎3F)
078-391-0229
開館日:水・土・日曜日
開館時間:12:00~17:00
拝観料:大人300円
大阪外国語学校繋がりではないですが、司馬遼太郎記念館にも行きましたので、また載せたいと思います。