(写真は全て月餅茶楼撮影)
(この記事は2017年7月現在の情報です)
【目次】
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布引の滝をめざして
こんなに海外からの旅行者が多い日本、まだまだ見ておくべき所がたくさんある筈である。
住んでいながら、案外と知らないものだと思ったのがきっかけで、先ずは関西圏中心に散策してみようということで、先日は神戸の布引の滝(ぬのびきのたき)へ行ってきた。
「北は六甲の山々、南は港」の神戸
この地形が生む「水」はかつて、神戸に寄港する外国船が水槽の水を空にして、それを悦んであふれるほど積んでいったという。
「赤道を越えても腐らない水」と言われてきた所以はその有機物の少なさと適度なミネラル成分、そして貯水池・ダム・堰堤といった、水質維持のための「しくみ」にあるという。
『船乗りたちはコウベ・ウォーターは世界一だというが、おそらく本当だろう。ーーそれが布引の滝の水なんだーー』
(『街道をゆく21』司馬遼太郎著から抜粋)
新幹線新神戸駅から、約400mも歩けば布引の滝に出会える。
司馬遼太郎氏曰く「神戸は、自然との関係においては奇跡のようなまち」で、新神戸駅のすぐ背後(北)まで山が押しよせている。
三宮駅〜新神戸駅
「三宮」は阪急・JR・阪神と神戸市営地下鉄の駅が近距離に集まっていて便利だ。
「三宮」から「新神戸」は1.6km、この間の電車は神戸市営地下鉄しか無く、一駅3分(210円)で到着する。
今回わたしは、この神戸中心街「三宮」から歩くことにした。新神戸駅まで徒歩24分。
▲今回の散策コース!
「ココ」と書いた地点は後にお話するが布引の滝の雄滝に相当する。
▲三宮駅周辺はただいま工事中〜
▲山の方へ上っていきます
▲神戸布引ハーブ園行きロープウェイ乗場があります。
ハーブ園までロープウェイで上り、ハーブ園を見て歩きながら下りてくるというのもありですね。
因みに途中駅「風の丘駅」は貯水池すぐ近くになります。
▲新神戸駅への通路が
▲ANAクラウンプラザ神戸と新神戸オリエンタルシティの間から伸びています
▲新神戸駅に到着すると「バス乗り場」を左に出て「布引の滝」の誘導がありますから迷うことはないでしょう
ハイキングコース
▲高架下みたいな所を潜って〜
「布引の滝0.4km」すぐ行けそうです。
この高架を抜けるとハイキングコースに入り、要所要所に掛けられた看板や案内地図に従って進みます。
▲因みに、新神戸駅からこのルートで車やバイクでも行けるようです。
▲周辺地図
▲「雄滝(おんたき)」まで350m
因みに「布引の滝」は、後に出てきます雌滝・鼓滝・夫婦滝・雄滝4つの滝の総称です。
雄滝でデン✋(タッチ)してくるだけなら1時間程あれば新神戸駅に帰って来れます。
▲滝山城跡まで1.2km
かなり気になりましたが、この日はスタートが遅かったので城跡コースは諦めました。
日が暮れると山は真っ暗で危険です。
たとえ近所の山でも、侮ってはいけません。
服装にも留意しましょう。
長袖・長ズボン、歩きやすい運動靴をお勧め致します。
▲園路沿にはたくさんの歌碑があります。
▲空気が美味しいです
雌滝周辺
▲最初に見えたのは雌滝(めんたき)、落差は19m。
白い布を垂らしたようなしなやかな雌滝から「布引の滝」と言われるようになったという説があります。
▲看板の誘導に従って階段を上ります
雄滝(おんたき)まで250m
▲布引の滝の看板説明:
布引の滝は、那智の滝・華厳の滝と並んで、我が国の三大神滝といわれています。
それだけに昔から、貴族・歌人などがよく訪れ、詩などを数多く詠んでいます。
園路沿いにたくさんの歌碑がありますのでご覧ください。
布引の滝は、上流から、雄滝・夫婦滝・鼓滝・雌滝からなります。
雌滝の落差は19m、その200m上流にある雄滝の落差は43mです。
▲更に上って行きましょう
▲雌滝の落ち口が見えます
鼓滝周辺
▲「鼓瀧」と書かれた石
▲注意して見ていましたがそれらしい滝は見あたりません…
残念ながらこれは鼓滝ではありません。
阪神淡路大震災の後、崖崩れの危険から渓谷側ルートは通行止となり、山側ルートをとるため鼓滝は見えにくくなっているようです。
▲静かで翠深い水
あれだけの水が落ちているのですからこの水も動いているんでしょうね……
じっと見ていると吸い込まれそうでちょっと怖いくらいです(わたしミズコワイ)
雄滝・夫婦滝周辺
▲雄滝です(上)
雄滝の滝壺があり、そこから二筋に落ちているのが
夫婦滝です。
▲雄滝の全貌。落差43m。
雄滝・夫婦滝の前にはベンチが幾つか配置され休憩できるスペースがあります。
因みに私は此処でパンと紅茶オーレをいただきながら暫しマイナスイオンと森林浴を楽しみました。
ここにも海外からの旅行者がたくさんいらっしゃいました。
みなさん結構穴場をみつけて来られますね。
▲休憩スペースにあった「涙石」
「布引の滝
古くから神秘的な伝説があり、物語や詩歌に多く引用された名瀑として知られている。布引の滝は、雄滝及び下流の夫婦滝・鼓滝・雌滝の総称であり、摩耶山・再度山の水を集めて落下している。雄滝の高さは43mで、岩頭から……(途中朽ちて読めず)……滝壺や川へ物を投げ込まないでください。ゴミは必ず家まで持って帰ってください。草木を引き抜いたり、折ったりしないでください。散策路の解放時間を守ってください。
神戸市」
散策路の解放時間。
…何時から何時なんだろ。
因みに、神戸市環境局の看板には次の内容が書かれていました。
「市民の皆さんに布引の滝を楽しんでいただくため、滝の水が少ない時は、ダムに設置したバルブを開き、貯水池の水を放流し滝の再生を図っています。放流の時間は6:00から21:00です。」
▲更に石の階段を上っていきます
階段面は傾斜していますし、石面が濡れていたり落ち葉が重なっていたりすると滑りやすそうです。
ヒールやビーチサンダルなどは避けましょうね。
下りは特に危険ですよ。
▲雄滝を横に見ながら上ります
石段を上った所に100年の歴史を持つ「おんたき茶屋」があります。
飲料の自動販売機も置いてあります。
▲空を見上げるとロープウェイが。
私も以前、下に滝を見ながら布引ハーブ園まで上がったことがあります。
▲たくさんある歌碑のひとつ
みはらし台〜下山
▲展望台(みはらし台)に着きました!
地元のラジオ体操の会場にもなっているようです。
▲神戸の街や港、大阪湾が見えます
向う岸にうっすら見えているのは東(左手)は大阪市、西(右手)は大阪の南の端あるいは和歌山の加太辺りまで見えるでしょうか?
右手奥には淡路島の東海岸が見えたでしょうか?
せっかくの良いお天気だったのに、そこまで思いつきませんでした。(次登った時の課題です)
▲しばらく苔生した木々の間を抜けて
▲猿かけ橋まで来ました
芯は鉄筋ですが、どうせならということであの宗谷のかずら橋に似せて、カズラをデコレートして作られたそうです。
この先もう少し行くと布引貯水池でしたが、日暮れ前に下り着きたかったので今回はやめておきました。
この日は新神戸駅16時前からの出発。
山に入るのに16時って時点でどないかと思いますけど、夏の時期なのでなんとかなりました(笑)
一応、3月から11月は夜の滝のライトアップもされているようですが、前述したように、日が暮れた山に入るのは本当に暗闇であり、音も殆どない世界ですので、日頃電灯や雑音に慣れすぎた私たちには逆に刺激的すぎ、危険を伴いますので無理はしないようにしましょうね。
(わたし山コワイ)
六甲山はいろんなルートや見どころがたくさんあります。
天候や体調、装備も含めて無理のないハイキングを楽しみましょう♡
▲神戸のシティループバス🚌💨も通ってます
(新神戸駅前)
帰ってから知った国の重要文化財
▲1.雌滝取水堰堤(めんたきしゅすいえんてい)
見落としていました!
雌滝の滝壺横にあるドーム屋根・石積みの建物は、国指定重要文化財の雌滝取水堰堤です。
取水堰堤では現在も水をくみ上げていて、その水はハイキングコースに埋められたパイプと下流の砂子橋を通り、調整池を経て奥平野浄水場に送られ、水道水として利用されているそうです。
(これはツレが撮ってた動画に奇跡的に映ってた!の一コマ。でかしたぞ)
▲2. 砂子橋(いさごばし)(布引水路橋)
新神戸駅から布引の滝に向かうハイキングコースに架かる砂子橋は、国指定重要文化財です。
昭和51年の改修により欄干にレンガが増し積みされ、石造アーチとレンガ装飾が美しい現在の姿になったそうです。
(残念ながら、今回外観の写真を撮っていませんでした。しかしこれもツレ動画の一コマ。でかした2)
第2弾につづく
「コウベ・ウォーターを20ℓ100円で売ってるらしいよ」って聞いたんですけど、ホンマかな(笑)
先ほどネットで調べたサイトでは20ℓあたり3,000円前後になっていました。
「コウベ・ウォーターを求めて 第2弾」
近々、追加散策に行ってみたいと思います。
(この記事は、下の第2弾に続きます▼
尚、この記事は、2017.06.10の再掲です)