(本blog写真全て月餅茶楼撮影)
(この記事は2017年6月現在の情報です)
【目次】
関帝廟とは
関帝廟とは、『三国志』でも有名な関羽(*)を関帝聖君として神格化し祀っている廟のことである。
中国から世界中へ広がっていった華僑。
華僑が多く集まる土地には中華街(チャイナタウン)があり、関帝廟があるということだ。
よって、関帝廟は世界中にある。
武将でありながら商売や学問の神様として祀られており、春節や盂蘭盆節(お盆)、関帝誕(聖誕祭)などのお祭りも開催されている。
*字(あざな)を長生、後に雲長と称した。
西暦160年頃旧暦5月13日生まれ(←神戸関帝廟曰く。
横浜関帝廟では旧暦6月24日を生誕としている。
その辺の詳しい事情は筆者には不明です、すみません)、西暦219年没、享年58歳。
神戸の関帝廟へ行ってきました
そして。
神戸の関帝廟は、中華街から離れた所にあった。
▲JR元町駅。
写真は東出口を南から見たとこ
神戸南京町は此処から南に徒歩5分ほどです。
道のり
▲JR元町駅東出口を下りて、左(北方向:県庁方面)へ出ます。
▲神戸は北が山手なので、緩やかに上り坂を歩くことになります。
鯉川筋を上って行きましょうか。
上る
大きな交差点を〜
▲県庁方面へ、西に左折します
景色も楽しみながら
公園や歩道橋を渡ったりしながら
あ、なんか中国っぽい塗りの壁が出てきました
神戸の関帝廟
着きました(▲右から「礼堂」と読みます)
神戸関帝廟 入口
関羽の顔はめパネルがあった(笑)
狛犬みたいなのがいる〜
「唐獅子」だそうです。
これは右側の雄。左には雌獅子がいます。
雄は「発財」、雌には「家内安全・子孫繁栄」の御利益があるそうです。
▲▼中国か台湾に来たみたいです
柱に施された彫刻が凄いです
入口を入って直ぐの所に「ご自由にお取り下さい」のパンフレットが備え付けられており、「中国式の参拝の仕方」と「おみくじの引き方」の案内が書かれていますので、どうぞそちらをご参照ください。
…と思いましたが折角ですので簡単にご説明致しましょう。
▲本堂側から入口に向かった景色
中国式参拝の仕方
- 受付で線香と紙銭を購入。それぞれ2〜3種類あるようです。(線香→❶小さくて本数がたくさんのもの❷大きく香りの良いもの、の2種類あるようです。紙銭→❶金紙❷銀紙❸寿紙:❶と❸は神に送り❷は仏(故人)に送る)
- 本堂前の香炉に順にお香を立て供えていく(香炉に❶番〜❽番の番号があります)
- 本堂手前の❶天地神炉(南の方角に向かって拝む) ▶️ 本堂に入って正面中央の❷関帝聖君(養子の「関平」(右)、家来の「周倉」(左)が控えます) ▶️ 本堂正面向かって右側の❸南無観音菩薩(子宝・安産祈願) ▶️ 本堂正面向かって左側の❹天后聖母(媽祖:海の安全祈願) ▶️ 本堂内右後方の❺福徳正神(土地公:中国では古代、身内の失踪・金銭の喪失における祈願) ▶️ 本堂内左後方の❻指南宮(道教呂純陽祖師:中国南方では学問に関する祈願) ▶️ 山門入口まで戻って、入口右側の❼地蔵王菩薩 (▶️ 天地神炉の左側の❽喉呀)一般的には上記の順序で参拝します。(参拝の方法後述*)
- 本堂の手前右側の「金亭」(いわゆる焼却炉)で紙銭を焼却します。
- おみくじを引きます。(おみくじ方法後述*)
参拝におけるポイント
参拝の前に線香を立てるのは神仏を迎えるため、
参拝の後には紙銭を燃やして神仏を天に送り返す意味があります。
▲本堂の天井
▲本堂正面。
関帝聖君と両脇に従う関平と家来の周倉。
手前の台には、三日月形の神具(合杯)が3セット置いてありました。
因みに台湾の廟(寺院?神社?)も同様の合杯やおみくじセットがあります。
神仏の祀り方や香炉もこんな感じです。
中国式参拝の方法
「大礼」と「常礼」の2通りの方法があります。
- 「大礼」:〝三跪九叩″を指します。跪いて、掌を地面に付け額を地面に三回付け、立ち上がる、これを三回繰り返します。
- 「常礼」:跪き、合掌し三回拝みます。
中国のおみくじの引き方
- 神仏の前に跪き頭を垂れて黙祷し願掛けします。
- 立ち上がり、くじの入った竹筒を持って再び跪き、竹筒を45度傾け、前後左右に振ってくじを出します。(2本以上出ると無効、一本出るまで引きなおします。)
- 「合杯」(三日月形の神具🌙🌙:2個1セット)を地面に落とし、このくじで良いのか間違いないかを神仏に問います。〝正反″(一個が表、一個が裏の状態)が出ればこのくじで間違いないので、くじ箱に200円を投入します。
- くじに書いてある番号の抽斗(ひきだし)からおみくじを取ります。
▲合杯…に見えるかな(笑)
おみくじを引く時のポイント
「合杯」が〝正正″(2個とも表)、〝反反″(2個とも裏)であれば、竹のくじを竹筒に戻し、再度「手順2」から同じ行為を繰り返します。
但し、3度ほど合杯を振っても〝正反″が出ないなら「今日はおみくじを引いて良い日ではない」と思ってまた日を改めた方が良いのだそうです。
おみくじを引いた後のポイント
おみくじは、必要が無くなっても捨てたりしてはいけません、必ず燃やしてください、とのことです。
日本の神社などではよく引いたおみくじを木の枝などに括り付けます。
此方の関帝廟内の木にも同じ様におみくじがたくさんくくられていましたが、中国式ではこれは本当はいけないのだそうです。
自分で燃やして良いのでしょうか?
それとも又関帝廟の金亭で焼却した方が良いのでしょうか?
実はこの度の訪問では見学だけで、おみくじを引いていないので次訪問した時は受付の方に尋ねてみようと思います。
(閉門間際ということもあり何方も見当たりませんでした)
「許願」(願掛け)について
関帝廟の主神は関帝ですので、関帝聖君に願掛けしますが、特殊な場合はそれぞれの神仏に願掛けをすることもあります。
例えば、(参拝の仕方の所でもご紹介しましたが)
子宝・安産祈願→❸南無観音菩薩に
海の安全→❹媽祖に
身内の失踪・金銭の喪失→❺福徳正神に(中国古代において)
学問に関して→❻指南宮に(中国南方において)
商売に関して→❷関帝聖君に
関帝聖君は、商売繁盛の他、悪縁を断ち切るご利益もあるそうですよ。
神戸関帝廟イベント
大施餓鬼供養祭「普度勝会」(*)が催されます。
(神戸市地域無形民俗文化財認定)
前夜祭は2017年8月24日(木)、本祭は8/25・26・27(金〜日)です。
(因みに旧暦の7/3・7/4〜6にあたります)
*普度勝会(ふどしょうえ):中国盆。華僑の人々が故人を供養する為の行事。施餓鬼行事。
因みに横浜中華街の関帝廟イベント
2017年7月17日(月)に「関帝誕」(聖誕祭)が催されます。
(旧暦6/24にあたるそうです)
おわりに
神戸に関帝廟があるのはつい先日知りました。
横浜中華街は風水的に良い場所にあり、その中でも関帝廟はパワースポットだと言われています。
神戸関帝廟は、横浜中華街と違って、神戸南京町から離れた所にあるのでなかなか知られていないのかもしれませんが、閑静でいい所だという印象があります。
サンフランシスコのチャイナタウンもきっと良い所にあるんだろな〜いつか行ってみたいな〜なんて思いつつ…
大阪にも難波と天王寺の2ヶ所、関帝廟があるそうなので機会があれば行ってみようかと思います。
神戸関帝廟アクセス
神戸関帝廟
〒650-0004 兵庫県神戸市中央区中山手通7丁目3−2(17時閉門)
「 JR元町駅から1.3km、徒歩15分」ですが私は写真撮りながらチンタラ歩いてたら30分かかりました(笑)
神戸南京町(中華街)はJR元町駅から南へ徒歩5分ほどです。
気の流れる方へ歩いて行ってみてください(笑)
こちら中華会館さんのサイト(神戸関帝廟のお問合せ先です)▼
一般社団法人中華会舘 | The Institute of zhonghua-huiguan
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神戸の観光さがし
「遠方から友人が来て、神戸を案内するってなった時に、どぉします〜?」
「此処っていうとこ思いつかなくて困りますよね〜」
という話から、自分が住んでる神戸のことをろくに知らないことに気付きまして、いろいろ歩いてみようと思いまして。
関帝廟の近くには相楽園もあります。
広さ2万㎡の都市公園・日本庭園だそうですが…
ちょうど閉門したところでした!
開園は9:00〜17:00(16:30までに入園)
毎週木曜閉園
また今度来たいと思います
▲ ちょい開けてみる〜
「今日はもう閉園しました〜」と職員の方が中から。
分かっててんけど…すんません(笑)
後日訪問しました、相楽園▼
今度、遠方から友人が来た時は、「シティーループバス」を使ってみようと思います🚌💨💨
一日乗車が大人660円なんですよ!
知らんかったやん
シティー・ループ |走る異人館 CITY LOOPの車窓から
北は六甲、南は港の神戸
こじんまりとした穏やかな街です
こんな神戸へ おいでやす〜
🌷 ♢ 🌷 ♢ 🌷 ♢ 🌷 ♢ 🌷 ♢ 🌷
「私と三国志」のお話
『三国志』は、陳舜臣さんの『秘本三国志』(全6巻)と、コミックの『蒼天航路』だけ完読しました。
吉川英治さんの『三国志』(全8巻→4巻まで読んだ)と宮城谷昌光さんの『三国志』(全12巻→1巻途中)は読みかけ!
しかし同じ読みかけでも吉川英治さんのは感動しながら読めるため、もう少し他の三国志を読んでからもっかい読み直したいと思ったから、ほんで宮城谷昌光さんのは、例えば、「曹操のじーさんのじーさんの時代の、そのまた遠い関係の人」の話から始まり、聞き馴染みのないシチュエーションから始まる。
(例えるなら、「神戸の関帝廟どこ?」て尋ねてるのに、「銀河系の中の太陽系の中の…」から始まる的な? おほほ、そう来るのか、ほなこっちも腰据えて聞くわ、ちょー待っといて、みたいな感じ。誤解を避けるため申し上げると、私は宮城谷昌光さんの著書は好きである。)
一旦お手上げ状態なのでもう少し分かってから最後に挑んでもえぇかなと思っている。
更に、家にはまだ北方謙三さんの『三国志』(全13巻)も積ん読してある。
今の処、私は曹操and関羽ファンである。
「三峡下りと関帝廟」のお話
私は昔、中国で「三峡下り」のツアーに参加したことがある。
重慶〜武漢の長江を下る船旅である。
もうかなり昔のことでもあり、私は当時全くと言っていいほど中国の歴史や地理の知識が無く、三国志に対する興味のキョの字も無かった。
船に3泊ほどしたのだろうか、その辺の記憶も定かではないのだが、船に同乗していた人が
「三峡下り来たんやったらココ見とかんと!」
と起こしに来てくれたことや、途中何ヶ所か下船して観光もさせてもらうのだが、その中に確か関帝廟もあった事などは憶えている。
線香の灰や紙屑(今思えば紙銭だった)が散らばり凄いお線香の臭い(香り?)とド派手な色彩と貫禄の関帝が鎮座していた印象が強く残っている。
同ツアーに同船していた人が言った「ココ」とは三国志所縁の地のことであり、今となっては眠い目を擦って見て写真を撮っておいて良かったと感謝している。
写真やガラクタ箱をひっくり返せば、もしかしたらお宝資料が出てくるやも知れないが…
いつぞやのmy断捨離キャンペーンで全部ゴミ袋行きしたかも知れない。
今、三峡下りに行けたとしたなら、船乗り場の様子から乗船金額やらチケットやら全て控えておいて
「ブログネタにすんねん♡」
とハリキって情報収集するのであろうに…。
「覆水盆に返らず」である、まぁ、だから良いのである…
変な所で話は逸れたが、なんしか、関帝廟は中国各地にとどまらず、世界の彼方此方に存在する。
関羽は存命中、そんな事を少しでも想像しただろうか。
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